このデザインについて。



ANはご覧の通りアラミタマとニギミタマの頭文字です。ならば上の丸が3つに菱形のような模様は何でしょうかというと、
これは別宮などの扉を装飾してる大きな鋲があり、これらをデザインして今回の意匠に仕立てています。意匠とは、表現
において工夫をめぐらすことであり、趣向です。

上の3つの玉が、アラミタマ、ニギミタマ、そして僕たち自身……なんて考えることも出来ますね。デザインについては
top page のサインをそれに縛られることなく部分的に使ったり、場面によっては大胆に組み替えたりしたいと考えてい
ます。

僕の取り組んでる伊勢のためのデザインが他のデザインと少し違うのは、まず文脈に添ったデザインやサインを先に作っ
てしまいます。そしてそこからどんな商品に仕立ててどんなシーンで育てていくか、生みっぱなしではただの装飾のため
のデザイン止まり、育ての親となって柔軟にそのデザインや商品と添い遂げることが僕が考えるブランディングで、ロン
グライフなデザインだと思うのです。

「黒松剣菱」というあまりにも有名な清酒があることをご存知の方は多いと思います。僕はお酒を飲むようになってから
その剣菱の意匠に触れるたびにしびれてました。日本古来の家紋などにもそのままじゃ過去なんだけれど、少しの変化を
加えれば一気に現在の意匠として着地する、そんな仕事に注目していきたいと思っています。